12.オンライン・システムとデータベース

By 神居 - Posted: 2008/10/01 Last updated: 2009/10/17 - Leave a Comment
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オンライン・リアルタイム処理システム

バッチ処理系OSとして発展してきたMVSですが、汎用OSでもあるため古くからオンライン・リアルタイム処理システムの構築にも用いられてきました。オンライン・リアルタイム処理システムは元々中央にあるホスト・コンピューターと数多くの端末装置を通信回線で結び、端末機で入力された要求をホスト側で即座に処理し、その結果も即座に端末機に返す形態のシステムのことです。
1970年代ぐらいまでは大企業などの業務システムでも、社員であるプログラマーが自らオンラインの制御プログラムと業務処理のアプリケーションプログラムを開発して運用することも珍しいことではありませんでした。しかし制御の部分は信頼性と応答速度に直結するためデータの量と処理の複雑さが増えるに従い困難なものになってきました。そこで個々のユーザー業務内容に依存しないが、オンライン・リアルタイム処理システムとして共通に必要とされる制御と管理の部分を提供する「トランザクション処理システム」と呼ばれるソフトウェアが利用されるようになりました。

トランザクション処理システムはオンライン・リアルタイム処理システムを構築するために必要となる、通信制御・トランザクション管理・データベース管理などを行うシステム・ソフトウェアです。これらは通信とトランザクション管理はDCMS(Data Communication Management System)、データベース管理はDBMS(Data Base Management System)と称され、DC/DBシステムとも略されました。データベース管理機能を持たず、DCMSとして単独であるいは他のDBMSを利用するものはOLTP(On-Line Transaction Processing)システム、TPモニター(Transaction Processing Monitor)とも呼ばれます。今よく使われるミドルウェアと呼ばれるカテゴリーに分類されるソフトウェアでもあります。DCMSやDBMSにはISV製品もありますが、多くのユーザーはOSメーカーが提供する製品を利用します。IBMからはIMS,CICSとDB2、富士通からはAIM、日立からはADM,DCCM,XDMなどが提供されています。

またIBMのメインフレームに限って言えば、一部の大規模なトランザクション・システムではTPFと呼ばれるOLTP専用のOSが利用されることもありますが、日本では圧倒的大多数のユーザーが汎用OSではあるMVSまたはVSEでオンラインシステムを構築します。大企業などの基幹業務でもすべてがオンライン処理で行われるわけではありません、バッチによる業務処理システムも並行して運用されます。システムが構築しやすく、プログラミングも容易な汎用OSであるMVSなどが主に使われてきました。


トランザクション処理システムの役割

各々のトランザクション処理ソフトウェアによって、管理や制御の方式、提供される機能、プログラミング・インターフェースなどはさまざまです。しかしいずれのトランザクション処理システムも、ユーザーがオンライン・リアルタイム処理システムを構築する際、ユーザーが自分のビジネスロジックに徹することができるように、ビジネスロジックに直接関係ないシステム全体の制御や管理をアプリケーションから切り離している点では共通しています。


代表的なトランザクション処理ソフトウェア

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