コンピュータシステムの消火設備と設備管理者へのお願い

By 岡田 - Posted: 2016/07/20 Last updated: 2016/07/20 - Leave a Comment
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ここ数日、関東地方は地震が多いです。
コンピュータシステムの災害対策。特に消火設備について書きたいと思います

コンピュータシステムの消火設備

はじめに、、俗に言う「防災設備」は大きく3つに分類されます
・消火設備・・・火が出たとき、火を消火する設備(消火器具、スプリンクラー設備、ハロゲン化物消火設備など)
・通報設備・・・火が出たことを、建物内の(防災センター等にある)受信機や建物内の人たちに非常ベル等で災害の発生を内外に知らせる設備
   (自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備など)
・避難誘導設備・・・火が出たとき、建物内に居る人を避難誘導する設備(誘導灯、非常放送器具及び設備、避難器具など)


通報設備、避難誘導設備についてはコンピュータシステムでも他の箇所と違いはありませんので、ここからは
コンピュータシステムとして考慮すべき「消火設備」に特化して話を進めます

コンピュータシステムとして運用されている箇所には、なんらかの消火設備があります。
初期消火用として「消火器具」があり、広範囲の消火には「ハロゲン化物消火設備」などを設置します
この消火器具やハロゲン化物消火設備に注意が必要です

<消火器具>

コンピュータは電子機器の集合体です。水(導体)が大敵です。
水は電気を通す”導体(どうたい)”のため、コンピュータ基盤の中に水が入ったら、基盤回路の中で電気ショートをおこし、
基盤が損傷するからです。防水仕様のスマートフォンが増えているのはそういう理由です。

そのため、強化液(蓄圧)消火器具の使用は注意したいです。消火の際、コンピュータ設備が消火液で濡れたら後の運用に影響が懸念されます。
メーカーによってはコンピュータ設備でも使える「潤滑剤入り水消火器」を発売しているようですが、水=導体というイメージがある私は少し怖いです

また、粉末(加圧・蓄圧)消火器具にも注意が必要です。
火に対して細かい”粉”を大量に噴射して消火する器具ですが、この粉末がコンピュータを冷却するために設置されている空調設備に影響を与える可能性があるからです。
空調設備内のフィルターに大量の粉が付着するとフィルターの機能が低下し、空調機能が低下します。

上記の事を懸念されている箇所では「二酸化炭素消火器」を設置していることが多いようです。
二酸化炭素を噴射して、燃焼する元となる「酸素」濃度を一時的に低下させて火を消すものです


<ハロゲン化物消火設備>

大規模なコンピュータ設備を設置している箇所では、消火器具で記載したのと同様「スプリンクラー消火設備」「水噴霧消火設備」などではなく「ハロゲン化物消火設備」を設置されているようです。

ハロゲン化物・・・設備内を防火扉で密閉状態にし、ハロンや代替フロン(HFC)等を主体とするガスを放出、設備内の酸素濃度を低下させて広範囲の火を消します

ここで問題になるのが、ガスを放出する場合、設備内の人は避難しなければならないという事です。
広範囲にガスを放出するので、人間も息が出来なくなる可能性が高くなるため、多くの「ハロゲン化物消火設備」では設備内の人が避難するための時間として「遅延時間」が設定されています。
”遅延時間”は設備の大きさによって異なります。数十秒といったオーダーです。
ハロゲン化物消火設備の起動ボタンを押したあと、設備内には大音量で「火災発生、ガスが放出されます、危険ですから外に避難してください」という旨のメッセージが流れ続けます。そして遅延時間経過後ガスが設備内に放出されるというものです

コンピュータシステムに「ハロゲン化物消化設備」が用いられている場合、設備に以下の標識があります。ご確認下さい
ハロン標識

ハロゲン化物消火設備が設置されているコンピュータシステムに常勤者がいれば、それは消防上NGです。
上記の理由から「ハロゲン化物消火設備」を設置する箇所には人が常勤していない場所であることが求められるからです。
消防署の査察や定期的に提出が義務付けられている”消防設備点検結果報告書”を消防署に提出時に指摘を受ける可能性があります。

他に「ハロゲン化物消火設備」を設置する場所としては「(屋内型)機械式立体駐車場」などが挙げられます


設備管理者へのお願い

ここからは、コンピュータ設備などを管理されている設備管理されている方々へのお願い事項です

これは、先日私が勤務している職場での出来事です。

勤務中地震が発生しました。
その後の館内アナウンスに疑問を感じました。

アナウンスの内容です。
「こちらは防災センターです。ただいま地震が発生しました。建物の震度はnです。震源地はXXXです。」

防災センターとしての役目は建物内の状況を館内の人に知らせることです。
館内で働いている人は、携帯電話・スマートフォン・パソコンを使って外の情報は直ぐに入手します。
でも、館内の情報はかんたんに得ることはできません。
エレベータが稼働しているのか?電気・水・給湯・ガス等のライフラインは?揺れで避難階段前の防火戸ラッチが(誤動作をおこして)閉じていないか?

こういった情報を防災センターは直ぐに確認してアナウンスで知らせる義務があると思っています。

建物は中で働く人にとって一つのコミュニティー(町)なのです。
防災センターはコミュニティー(町)の警察署・消防署と思っていただきたいのです
防災センターに警備員として詰めておられる方々もいらっしゃるかと思いますが、警備員は私たち建物内で働く人たちの「毎日の暮らし」を支えていると考えると、大事な仕事と思います。

関係者の皆様、よろしくお願いします
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