NLテープを最近利用されていますか?

By 岡田 - Posted: 2016/06/18 Last updated: 2016/12/04 - Leave a Comment
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NLテープ・・・LABEL(ラベル)がない(NO LABEL)テープの事です。

通常、磁気テープと言えばSL(STANDARD LABEL)ラベルなどLABELが付いているテープを指します。
メインフレーム環境におけるNLテープとNLテープが持つ特性(特殊性・独自性)についてお伝えします

1.メインフレーム環境における磁気テープ環境の変化

メインフレームのテープ環境の変化により、NLテープが使える場所が激減していると思われます。

メインフレームで磁気テープが使われてから、テープ(オープンリール、カートリッジ磁気テープ)のマウントは人による操作でした
その後、磁気テープ業務の迅速化、テープに書かれたデータセット管理を目的に磁気テープライブラリが登場しました
日立ではH-6951、H-6952(CTL)です。IBMでは3494と思われます

磁気テープは上記ハードウェア内に専用のコマンドで取り込まれ、本棚のように管理されます。
この済、一つ一つのテープをLABELで認識する事が大前提だったため、NLテープは除外されていきました
(日立では登録されている磁気テープをDMFLSSで管理していました)

特別な理由がない限り、NLテープを使う業務はSLテープやファイル転送などに置き換わっていきました

しかし、磁気テープライブラリは装置自体がとても大きい事(数千巻のカートリッジ磁気テープを筐体内に保管するため)、装置内のロボットアーム(テープが管理されている保管場所からテープドライブ装置に移動させる)を動かすレールが凸凹が無くまっすぐでならなければならないなど、ハードウェアメンテナンスにとても神経を使う装置だったために、登場してまもなく、現在主流になりつつある仮想テープ(VTS、VT)に変っていくようになりました
(日立ではDMFVTLSで管理します)

ここには、磁気DISK装置の進歩によりビット単価が下がり、大容量で安価なDISK装置が登場したことも仮想テープ環境へのシフトを加速させていったという背景があります

メインフレームでは仮想テープを管理するため、以下の環境が別途必要になります
1)仮想テープのデータを保管するためのDISKボリューム群(日立ではDMFISMによる記憶プールで管理します)
2)OSからテープのマウント要求があった際(仮想テープへの要求時)テープのエミュレーションをするための常駐ジョブ(リージョン)

当然、ここでも仮想テープの管理はLABELです。NLテープは使えません

仮想テープの登場により、磁気テープへのマウント・書き込み・デマントが劇的に早くなりました

LTOもメインフレームで使えるようになり、1巻当たりの記憶容量がTBオーダーになり、テープ本数がとても少なくなったと思います。
日立ではDMFOPDSで制御します。DMFOPDSは昔、光ディスク装置を制御するソフトウェアとして登場したのですが、いつの間にかLTO制御ソフトに変ってしまいました。OPDSのOPは昔は光デバイス(OPTICAL)でしたが、現在はオープンデバイス(OPEN)に変っています


2.NLテープの特性(独自性・特殊性)と私が業務で関わったNLテープ


私が昔、VOS3のエンジニアをしていた時、色々なNLテープを使っていました

秘匿性

通常、磁気テープの中に書かれている情報はLABELに書き込まれます。
NLテープにはLABEL情報が無いため、TAPE PRINT(日立ではJSFTPRT,OPENMT)を使っても中の情報を見ることができません。秘匿性が持てます。

そのため、外部とのデータのやりとりをするとき、秘匿性が必要な業務についてはNLテープが用いられていました
テープが必要な相手には事前に書き込んでいる情報(データセット名等)を伝えておく事でデータを得られます

他ホストとのデータ連携

IBM、日立、MSPなどMVS互換の間でのデータ連携では問題ないようですが、日立→UNIVAC(現UNISYS)ホストとのデータ連携をする際、NLテープを使っていました。
日立とUNIVACではコード体系が違うため、日立で書いたテープLABELを認識できなかったと記憶しています。
そのため、UNIVACに渡すテープをNLテープに書き込む時コード変換プログラムを使っていました。

セルフ(独立ユティリティ)テープ

システムを最初に作る時・削除する時、本番システムがシステム障害等で稼動できなくなった場合の緊急時にセルフテープを使います
(パソコンで言う”起動ディスク”です)

システムを最初に作る際、磁気DISK上に何も書かれていません。OSすらありません。磁気DISKからIPLできません。

そのとき、NLテープの先頭にセルフプログラムを書いておき、そこからDISK初期化のプロラムと磁気DISKへのリストアのプロラムを起動し、初めて磁気DISKからIPLできるようになっていました。

日立のAP8800にはSOSがSVPに組み込まれたので、この作業は昔の話となりましたが、、

私が仕事を始めた時は初期化プログラムとリストアプログラム2本を書き込んでいましたが、その後JSJDADEの独立ユティリティが出来、一本化されました(プログラム名はうろ覚えです)

OSが不要なため、システムを削除する時にもセルフテープは活躍しました。
セルフテープからIPL後、本番稼動していたOSをDISK初期化プログラムで削除したのです。

現在、NLテープで運用されているとすれば、LTOでしょうか、、
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