【重要】これからのメインフレームを支える要員の育成手法についてについて

By 岡田 - Posted: 2013/10/21 Last updated: 2013/10/21 - 8 Comments
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この内容は、先日緊急入院していた病床で思いついたアイデアです。

今の時代、メインフレームを支える要員(特に顧客システムを支えるベンダー要員)の作業環境が危機的状態です。

「セキュリティ」とか、「コンプライアンス遵守」の言葉で、日々の仕事の中で簡単に、システムに触れさせることを許可しない顧客が増えてきました。その結果、操作に不慣れな要員が増えつつあります。

これが、五年、十年続くと、我々のように若い時に、一人でシステムの生成からデバッグまでさせられた経験豊富な人間が定年等で居なくなり、経験が浅くて品質の低下した要員だけでメインフレームの業界を支えることになり、これがメインフレーム業界自体の崩壊の切り口になって行く、、

これは、本当に由々しき問題と思います。

特に日本は稀に見る「メインフレーム大国」です
社会生活の見えない部分で、メインフレームシステムが支えています。

メインフレームに関わって27年の私が思いついたのが、以下の三点です
1)ベンダー内に散らばっている要員を一箇所に集める
2)顧客ごとにセキュリティなどのランク付をして要員を再配置
3)現在では主流となった端末エミュレータに操作ログ蓄積機能を盛り込む

それぞれについて、説明します
1)ベンダー内で散らばっている要員を一箇所に集める
私が長年関わってきた、大手グループ企業は、事業所制を敷いています。産業、流通、金融などで事業所を分割して、それぞれのところに要員がいます。

昔、新人を要員育成のために投入していた時代では、次から次と育成して行くことができたので、事業所制でも問題ありませんでした

ところが、先にご説明したように、メインフレームに触れることができないこと、社会的風潮として、サーバーやパソコンなどシステムの多様化により、新人をメインフレームの要員として育成しようとする部署が激減しています。

そこで、各事業所に散在している要員を一か所に集めて、職能別の部署を立ち上げるのです。

どうして、集める必要があるかというと、異なる事業所間の人員の移動が、人員予算などで縛られているため困難だからです。

要員を一箇所に集めると、グループ企業で関わる要員の規模と、個人個人の能力の違いが見えてきます

2)顧客毎にセキュリティなどでランク付をして、要員を再配置
ベンダー要員が育つ場所、、それは、顧客システムです。
顧客先に駐在して、顧客システムに尽くす。その時に要員が育成されて行くのが、昔の流れでした。

でも、今は違います。詳細は、上術で述べたので省略します

その結果、新しい機能を追加しようにも、経験が浅いので、問題に対応できる能力に乏しかったり、作業品質の低下を招くと思います

そこで、育成できる顧客システムと、そうでないシステムを見極める必要が出てきます。

顧客からすると、何ふざけたことを言っているのかと、思われるかもしれません。

しかし、メインフレームの要員の育成には長い時間がかかるのです。

27年関わっている私でも、仮想化、クラウド、並列化と言った言葉にいつも勉強の毎日です
社会に科学技術の進歩が続く限り、メインフレームコンピュータシステムであっても要員の能力を高めることを止めてはならないと思います

そこで、顧客システムAからCなどランク付をします
Aランク:要員の育成ができる顧客システム
Bランク:AとCの中間
Cランク:セキュリティなどで育成が困難な顧客システム

Aランクで要員を育成して、BとCに振り分けて行く

3)端末エミュレータに操作ログ蓄積機能を盛り込む
顧客が要員をシステムに触れさせたくない理由の一つに端末からの操作で何をしているかわからない。ということがあると思っています。

コンソールでしたら、システムログ、ジョブでしたら、ジョブログが残ります。
でも、端末からの操作ログは、個別に作り込みをしないと残せません。

メインフレームの場合、TSS,TSOなどのシェアリング、DB操作などあらゆる操作が可能なので、、

そこで、エミュレータに操作ログを残す機能をもたせるのです。
顧客はその情報から、誰(ユーザID)が、いつ、どのような操作をしたのかをオフラインの状態から確認できます。

このログを定期的にftpやsendmailで転送させることも容易です

操作を「見える化」する事で、顧客は今までより安心する事ができますし、操作する側を「見られている」という意識が働いて、より慎重に操作をする事になると思っています


さいごに、、
ここの内容は、一つのグループ企業に留める話ではなくて、メインフレーム業界全体で取り組むべきことと思います

我々のように、もう先が長くない人間ならまだしも、二十代、三十代の要員がこれからメインフレーム業界を影で支えて行く必要があるのです。

我々の手で、明るいメインフレーム業界にしていきたいものです

最近、うつ病のような精神疾患が増えています。
「平等」や「人のつながり」がうつ病を作らない方法だと昨日学びました

同じ志の仲間を増やし、皆が見て行動する事でより良い社会を作って行けるとも思います
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8 Responses to “【重要】これからのメインフレームを支える要員の育成手法についてについて”

Comment from 野良猫
Time 2013年10月21日 at 23:28

> 「セキュリティ」とか、「コンプライアンス遵守」の言葉で、日々の仕事の中で簡単に、システムに触れさせることを許可しない顧客が増えてきました。その結果、操作に不慣れな要員が増えつつあります。

確かに、障害等が発生しない限り、本番系(商用系)のマシンを操作する事は無いですネ。

今の現場は、マシン更改を行っているのですが、現行チームは記事もありましたように、新しい事ができないのか、やりたくないのかは分かりませんが、本当にオペさんより少し上って人達が、システム管理部隊ですから、現行のシステム状況を聞いても殆ど何も分からない状態です。(笑)

ただ、メーカ系の人材も今はメインフレームを知っている人材が少なく、自分達のような外注がシステム更改を行っている状態です。本社系には、確りした技術を持っている人達は居ると思うのですが、そのような人達は顧客システムの現場には現れないので、現場での技術を継承は今の状態では本当に難しいでしょうネ。

記事にありましたように、自分達が居なくなった後は、メインフレームは本当にどうなってしまう?って感じです。

自分としては、無くなって欲しくないのですがネ。

メーカ系だけでなくても、ユーザ会のようなものではどうでしょうか。(メインフレームのオフ会ですかネ。)

Comment from okada
Time 2013年10月22日 at 00:29

野良猫さん

コメントありがとうございます。

ユーザ会は内部でサイトの情報が飛び交う可能性があるので、機密保護の観点から難しいと思うのです。

派遣社員などは半年に一度と言った定期的タイミングで、機密保護についての認識を確認する教育がなされている状況なので、、


末端の人間の交流よりもっと、上の階層で行う事をしないと全国に広まらないかと思います

みんなが足並みを揃えてこその成せる技かと、、

要員みんなのスキルの品質や能力が平準化されて、平等になる事が私の目指すところです

Comment from とある若手
Time 2013年10月26日 at 10:44

昨年新卒採用され、メインフレームに触れています。
この環境ではプロパー、パートナー、オペレータという体制です。
ベンダーから技術要員としてきている若手の人も愚痴っていましたが、とにかく技術を身につける場がないとのこと。

幸いなことに、本番系、開発系、検証用と区画が分かれているので基本的な技術の勉強は出来ました。
あとはOJTと、進行中のプロジェクトへスポット参戦して特定の技術を身につけている状態です。
UNIXやCLI/Webアプリケーションなどオープン系に明るい状態での配属でしたので、当初は戸惑っていましたが、無事どうにかなっています。
プロジェクト的にもプロパーなら新人育成の余裕はある(外注するなら強みが一つでも無いとという状態)ようです。

先日もベンダーのセミナーに行かせてもらいましたが、若手を見ませんでした。
どこかでやらないかな、20代ぐらいのメインフレーム若手オフ会。

Comment from shok
Time 2013年10月26日 at 13:31

とある若手さん

コメントありがとうございます

長文になってしまいました。ゆっくり読んでください

2013年において、とある若手さんのように新卒でのメインフレームエンジニアは貴重な存在だと思います。
しかも、プロパーとの事。

とある若手さんは、同期入社の友人がサーバーや他のプラットフォームの仕事をされていることに、寂しくて今の仕事から移りたいと思ったことはありませんか?

というのは、私が以前、日立グループのプロパーで居た時、部下に居たのです。
彼も配属と同時にVOS3エンジニアとして育成が始まりましたが、彼以外は全員サーバーの仕事に振り分けられたことで、寂しい職場生活を送ったことと、私の上司が、若手の使い方を分かっていなくて、自分の思いどうりに仕事ができないと怒ったため、彼は苛立って、ついに異動を願い出て移っていきました。

彼は現在、結婚して子供も二人生まれてサーバーの仕事を同年代の仲間たちと行っています


以前、こんな話を聞いたことがあります。
入社直後の同期会で初めに話題になるのは、仕事の内容と給料で、これが定年間近(高齢)となると、健康と家族の話に変わるのだそうです。


とある若手さんに、、
最初に、とある若手さんを「貴重な存在」と書かせていただいた通りで、我々四十代後半の知識を継承できる数少ないお方です。

しかも、配属されているサイト環境が充実されていて、ご自身の能力アップに障壁が無い印象を受けました。
ここでの経験を積まれて、五年後、十年後を見据えた自画像を描きながら仕事をされると、良い方向に人生を歩まれることができると思いました

同年代に仲間が居られず、寂しいと思われていらっしゃいますが、私は違う視点で見ています。
サーバーなど他のプラットフォームの人材は人数が多いから、一人が蓄積できる能力や品質に格差が起こりやすく、それが仲間間の競争となり、一人一人の個性が評価されず、うつ病のような精神疾患に陥りやすいことと、サーバーなどのプラットフォームの仕事はメインフレームの仕事にくらべて、歪が生じ易いので、その歪でも苦労すると考えています


メインフレームの仕事環境は、ハードウェアもソフトウェアも顧客に提供するサービスメニューもほとんど自社が提供している(出来る)ので、歪が生じても自社の間で緩和できます。

ところが、他のプラットフォームは、OSやハードが他社品だったりして、自社が提供するのはサービスメニューだけだったりします。そのサービスメニューに、自社の独自性(知識、経験、環境など)を盛り込んで行く必要があるのですが、ここで他社品との間で歪がでると、他社に緩和してもらうのは難しいので自社の中でカバーする必要が発生して、ここで苦労することになると思うのです。

コンピュータ業界は、精神疾患に陥る人が多い業界だと思います

メインフレームの仕事では不要だったことに時間を裁く必要があることに、私は違和感を感じますし、今だにメインフレームの仕事ができていて、ここでライターをさせていただけていることに喜びを感じています

うつ病は「孤独」だと発病しやすいと、先週のテレビで放送していました。それは、人間が猿の時に埋め込まれた社会性をベースとしているからだそうです。

寂しくなっても、仲間との交流で緩和できますが、孤独だとそれができずに、自分の中に抱え込んでしまうのが原因だそうです

寂しくなったら、ここでぜひ愚痴をこぼしてください。
私たちでよければコメントいたします。

それから、オフ会については、野良猫さんへの回答の繰り返しになりますが、サイトの情報漏洩の原因になりかねないので、末端の私たちがいつでもできるようになれるよう、上層部の意識が変わるのを待ちましょう。

わたしも、上層部の意識が変わるように、ここでの記事を書き続けます


最後に、アドバイスとして、うつ病にならないために、私が取り組んでいる方策をお伝えします。

それは、「他の人からの笑顔」です

自分が手がけた事や物で、他の人を笑顔にするようなことをすることで、結果として得られる笑顔から、疲れやストレスが取れる自分を、前の職場(ショッピングセンターの仕事)で感じました

私の場合、それを「折り紙」で実現させています

普通の折り紙より、少し難しい折り紙(一見見ただけで折り方か想像出来ない物)を折るのです。
難しい折り紙を折るのは時間が掛りますが、折れるようになって、行きつけのお店の方に見せると、必ず喜んでくれます。これで、私は精神的ストレスが溜まっても発散出来るようになりました

仕事一筋では、仕事で折れた時、経験上迷走しますので、回避策を持たれることをお勧めします。

Comment from とある若手
Time 2013年10月26日 at 21:57

shok さん、コメントありがとうございます。
実は私は、IBMの関係者で、某所のシステム保守を担当しています。

入社当初は「オシャレな都会でクラウドやアプリの仕事をするんだ」と思っていたので、メインフレームに関わると知ったときは正直落胆しました(酒の席では公言していますが)。
しかし、社内にオープン/メインフレームの基盤からアプリまで対応できる十徳ナイフのような人と出会えたことで目標が出来ました。
メインフレームの基盤チームにいながらオープン系やアプリも出来るなんてカッコいいじゃないかと。

幸いなことに縛りがきつくなく(金はあるけど精神衛生上、余裕があるなら残業は避けるように言われている)
課せられた仕事をこなせば勉強の時間をとれるので、運用上作られた仕組みやマニュアルをひもといて勉強中です。
メンバーの大半が30代で世代交代に成功している、というのも良い環境なのかもしれません。
情報系の院卒という学生時代の貯金もありますが、同期入社のメンバーよりも先に進んでやるという意気込みで仕事をしています。
特にオープン系やアプリ系の知識は、メインフレーム基盤のチームでは重宝されているようで、そっち方面のスキルも維持しようとしています。

>それは、「他の人からの笑顔」です
私も他人から喜ばれると、やる気が出てきます。
困難な仕事を達成したとき、飲み会を成功させたとき。
喜んでいるのをニヤニヤしながら見ているだけでも十分です。

常に新しい経験をすることが、私のストレス回避策なのかもしれません。
出かけるのが好きなので、目標地点を決めてその周辺を観光して帰ってくる。
大きな書店で気になる分野の本を探しに行く、水族館を見に行くとか。

私は比較的恵まれた環境に置かれており、考えることも好きなので、制度やシステムをフル活用して仕事を楽しもうと思います。

Comment from shok
Time 2013年10月26日 at 22:45

とある若手さん

私は、とある若手さんとは逆に工業高校でコンピュータを学んでこの業界に入って来ました。

最近、しきりに思うのが「生涯学習」とという考え方です。

生活の中には常に勉強があり、勉強する事で社会がより良くなっていく、、

ですから、工業高校しか出ていない私は、最近とても大学で学ぶことに興味があります。

お金と時間があったら、同志社大学で学びたいと思っています


どうして、同志社なのか、、

それは、「新島襄」が作った大学だからです。
新島さんが作った志を生徒として感じてみたいと思っているのです。

完全に「八重の桜」が影響しています。

私は、新島襄がアメリカに密航するために使った港の出身で、実家の近くには現在も、新島襄が密航した事を示す碑があります


また、私は派遣社員です。いわゆる「お手伝い」です。
プロパーから残業を命ぜられなければ、残業はできません

プロパーとして合計20年以上エンジニアの経験がありますので、現在の上司から指示が無くても、自分で考えて(見えないところで)いろいろ動いています。

ここではまだ詳細を書けませんが、グループ内のある部署からの依頼で「作業エラー」を未然に防ぐための方策を技術として後世に残していくために、活動をしています


昨年7月に先に書いた部下の彼を怒った上司に嫌気がさした事。同じ仕事なのにプロパーとパートナーとで給料が違う「ダブルスタンダード」の状態に正社員として精神的苦痛を感じて、私がいる事に(2名の派遣社員に大して)申し訳なくなった事もあり、正社員の立場を捨てて、異業種での経験を積み、長い失業の期間を経て働けています。今労働できる事だけで満足しています

もし、今私がプロパーだったら、自分が稼いだお金をできるだけパートナーに注いで、私の元で働いてくれている事に感謝したいと思います。

今はそれが出来ないので、前のパートナーとはメールでのやりとりに止まっています

私が投稿したアイデアを考えていた時、緊急入院した直後でした。

とある若手さんも健康には気をつけられて下さい。
健康でなければ、たとえ資本があっても、実現したい事もできません

Comment from kamii
Time 2013年10月28日 at 09:24

私はユーザー会やオフ会には否定的な意見を持っていません。

恐らく目的は知識やノウハウの交換の場にしたい、というもので、それぞれの企業の財務や顧客の情報が飛び交うなどとは考えにくいです。
何を機密とするかは考え方でも違いますが、運用のノウハウやヒントなどは機密とは言えないんじゃないかと思います。

技術的な情報にしてもほとんどはマニュアルなどで公開されているものの延長だと思いますし、OSやソフトウェアの使い方や仕組みなどを聞いたり答えたりが問題になるとも思えません。

特定企業の情報と言っても、例えば「イニシエーターのクラス分けはどんな考え方でやってますか?」みたいな話も機密漏洩になるのだとしたらちょっと極端かなとも思います。

ISVベンダーにいたときに通信系のソフトの障害調査でジョブログを送ってもらったときに、そのソフトが出力した警告やエラーのメッセージ中のIPアドレスを黒塗りして送ってきたユーザーがいましたが苦笑しました。
こんな人達ばっかりなら仕方ないかも知れませんが...

Comment from shok
Time 2013年10月28日 at 09:53

問題は、『メインフレーム』という、企業の枠を超えたスケールで、ユーザー会やオフ会を開くと企業側が知った時、『自社の情報が漏れないことを保証出来るのか』という内容にどのような手段で回避出来るかだと思っています

私の考え過ぎでしょうか、、
オフ会に何を求めるかも人それぞれと思います