メインフレームこれから(二極化)

By 岡田 - Posted: 2013/07/23 Last updated: 2016/05/22 - 4 Comments
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近年、要員が減りつつも生き残っているメインフレーム業界ですが、最近業界に影響を与えるサービスが出てきました。今後大きく二つの方向に進むと思いましたので、書きます

1)巨大システムは更にメインフレーム環境の持続に、、
ここで言っている巨大システムとは、二つの意味があります
その一)一企業の中で膨大なデータを管理している言わばデータベースコンピュータシステム
その二)一企業は小さくても、複数の企業間で媒体を介すなどして、結果的に大きなデータを持っている場合

データをサーバと言った他のプラットフォームに移行するには、当然違うデータベースに切り替えることになりますので、必然的に移行作業が発生することになります。

企業間で媒体を介している場合、足並みを合わせて媒体をサーバで制御できて、且つセキュリティが高い物に変える必要があります。メインフレームをプラットフォームに持つ企業では、昔から磁気テープを媒体として用いてきました。次世代では何に変わるのでしょうか。次世代の媒体としてLTOやDVD,BDなどがありますが、、

今の時代、巨大システムを抱えている企業ではBCP(事業継続計画)と言ったディザスタリカバリを作り込んでいるサイトが殆どです。

東日本大震災や阪神淡路大震災のような大規模災害が発生してもコンピュータシステムをできるだけ早期に再開することが求められ、企業はいつ使うかわからない保険のように多額の費用をかけています。ディザスタリカバリの重要項目は膨大なデータを守る事にあり、通常、データを複数の場所に保管する対応をとります。こうなると移行が必要なデータは本来のデータの二倍以上になります。

更に、巨大データを扱う分、信頼性を求められます。メインフレームは三十年以上の歴史があり、各社とも信頼を築き上げてきました。この歴史が基盤となった高い信頼性は強みだと思います


2)中、小規模のシステムはサーバにダウンサイジング
メインフレームにかかる費用は信頼性が高い分、高価だと言わざる終えません。

そのため、中、小規模のシステムは減価償却のタイミングで、サーバにダウンサイジングしているようです。

(H)のあるグループ会社では、そういった顧客に対して、負担なくダウンサイジングできるようなビジネスを展開しています。

従来実行されていたJCLなどを移行ツールでXML化して、そのままの流れ(ジョブステップ)でサーバで稼働するアプリに投入すると、JP1がメインフレームで実行されていたのとほぼ同じ働きをしてくれるというものです。

ただ、サーバでの稼働となりますので信頼性はある程度犠牲にしなければならないと私は思います。ソフトウェアの信頼性然り、ハードウェアの信頼性もです

また、OSがオープン(AIX,HP-UXなど)のため、ユーザ独自の機能を盛り込みにくくなります。

メインフレームのOSでは、多数の出口ルーチンを用意しています。ここをサイトごとにコーディングすることで、サイト独自の機能をOSの一部として提供できます。メインフレームOSが大型”汎用”機と言われる理由の一つです

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4 Responses to “メインフレームこれから(二極化)”

Comment from takao
Time 2013年7月24日 at 18:11

タイムリーにクラウド全盛時代にメインフレームは必要か?という記事があり、「当面、必要」という結論になっております。

Comment from 野良猫
Time 2013年7月26日 at 01:04

メインフレームは、自分も当分はなくならないと思っています。

ただ、最近現場でのSEに不満を感じています。
保守系のSEは挑戦する心が薄れてしまい、リスクヘッジの事ばかりで、一緒に仕事をしても張り合いがありません。

その辺、他の現場はどうなんでしょう?

Comment from okada
Time 2013年7月26日 at 01:53

野良猫さん

投稿ありがとうございます。
>ただ、最近現場でのSEに不満を感じています。
>保守系のSEは挑戦する心が薄れてしまい、リスクヘッジの事ばかりで、一緒に仕事をしても張り合いがありません。

これは日立(VOS3)に長年関わってきた私も同じ意見です。

私が最初に携わったシステム(技術計算を主とするコンピュータシステム)は”性能、スピード最優先”という顧客のコンセプトがありましたので、新しいCPU、OS、新機能が出ると他社ソフトウェアを含めてどんどん採用していきました。その結果、毎年のようにOSバージョンアップやハード更改などを行い、私はここでOS生成やシステム更改に関するノウハウを身につけました。

その後、私達のノウハウを生かそうと会社が特別なプロジェクトを立ち上げて、多くのサイトの更改作業を行いました

しかし、その多くのサイトがダウンサイジングでメインフレームを捨ててしまいました。残念です。色々な要因はあるようなのですが、、

そして、挑戦心が無くなっている事は現場サイドではなくて、もっと上流から来ているというのが私の印象です。

1)会社方針
私は昨年まで日立の大手コンピュータ会社に勤めていました。この会社ではもう汎用機の人員育成はしていません。

会社自体が汎用機の将来を鑑みてすでに撤退をしている状態です

現在抱えている大型汎用機の仕事は、派遣社員を入れて対応しています。


2)顧客自身、挑戦する事が出来ない
VOS3を製作、保守している部署では、大型汎用機にさまざまな機能を作っています。

IBMで「Linux on Systemz」があるように、日立にも「Linux for AP8000」があり、大型汎用機上でLinuxの稼働が可能となっています(詳細は別途掲載予定)し、複数のOSで並列処理ができるように高速結合機構(HCCF)もリリースされています(メインフレームのシステム構成で掲載済)

ところが、いずれの機能も(私が知る限り)導入しているサイト(顧客)が全く見えておらず、実際問題として日立として新機能を作ったのはよいが、市場に受け入れられていないのではというのが私の思うところです。

時として、製作者側の思いと利用者側の思いがすれ違う場合があります。
ある商品で、「こんな機能要らない」と蹴られたり、逆に「こんな機能が欲しいんだけど」という事をお感じになられると思います


そして私が強く思う事として、現在の殆どのメインフレームシステムが顧客のデータを安全確実に維持・管理するための「データベースコンピュータ」になってしまった事が要因の一つとしてあり、どうしても安定稼働しているシステムにメスを入れたくないようです。


メインフレームのコンピュータはシステムパラメタの設定がしっかり出来ていれば、CPU使用率が100%でも動作は可能ですが、サーバの場合100%ではOS自身の監視・制御が出来なくなります。少なくても50%?60%の能力で業務が処理できるようにCPUを選定しなければならないです。

CPUが100%フル稼働で顧客の業務を満足に動かせないなんて、私にはあり得ないのですが、、

このようなサーバに私は嬉しさや”有難味(ありがたみ)”を感じません

Comment from 野良猫
Time 2013年7月27日 at 19:28

レスありがとうございます。

>メインフレームのコンピュータはシステムパラメタの設定がしっかり出来ていれば、CPU使用率が100%でも動作は可能ですが、サーバの場合100%ではOS自身の監視・制御が出来なくなります。少なくても50%?60%の能力で業務が処理できるようにCPUを選定しなければならないです。

まさにその通りです。100%に達しても正常に稼動できますからネ。
ところが、オープン系のマシンはOSの管理すらできなくなり、結果、スローダウンになりますからネ。

>CPUが100%フル稼働で顧客の業務を満足に動かせないなんて、私にはあり得ないのですが、、

本当にそうです。顧客から言わせると高いCPUを購入させることになりますからネ。
でも、それが世間の主流となっているとは言え、どうしても自分には納得ができない部分です。

また、新しい記事を楽しみにしています。