TSS端末のエミュレータ

By 岡田 - Posted: 2013/07/14 Last updated: 2016/12/04 - Leave a Comment
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一般ユーザがメインフレームコンピュータを使うためには、TSS端末が必要です。

このTSS端末。現在ではシステムを使う施設があるイントラネットに接続されているパソコンが取って代わっています。これは、パソコン上でTSS端末の役目を代用するエミュレータが稼動しているからです。

イントラネットが普及する前には、TSS端末をコンピュータを使う部署に設置するために、苦労をしていました。

TSS端末(ダム端末=「ダム端」と呼ぶこともあります)を設置するために、ホストに接続されているCCP等の通信制御処理装置から専用線を敷設。部署内にある分電盤から電源を引き、TSS端末に専用線と電源ケーブルを接続する。プリンタが必要な場合にはプリンタも設置しました。

部署に設置するTSS端末が多い場合、一度TCEやCSと呼ばれる端末制御装置でホストからの専用線を受け取り、そこからTSS端末に分岐をさせるという対応をしました。

専用線を敷設する事が出来ない遠隔地では、社外通信網(ISDNなど)を介してTAで接続をしていました。

ホストで稼動する通信制御プログラムにはTSS端末が接続されているCCPの回線番号をパラメタで伝えました。


話を戻します

TSS端末エミュレータはパソコン上で、ダム端末が行っていた役目を代用しています。

メインフレームから届く通信データは専用線を引いていた時と大きく変わっていません。専用線を直接敷設していたのが、LAN(TCP/IP)に変わっただけで、ユーザに提供する情報は殆ど変わっていません。

利用者の視認性が変わるとコンピュータシステムの使いやすさが変化して、問題が発生しかねません。

そこで、ダム端末に届いていた通信データをパソコン上でも行えるようにしたのが、TSS端末エミュレータです。

メインコンピュータ上で動作する通信制御プログラムに対しては、TSS端末がダム端末からTCP/IPに接続方法が変わった事をパラメタで伝えるだけで、上位のアプリケーションにはあまり変えていません。

ダム端末を設置する場合、ハードの敷設費用(専用線、ダム端末)、そしてダム端末自体の使用料など、システムを使う側が大きな負担を強いられてきました。それが既に使っているパソコン上で稼動できるエミュレータに置き換えることができるので、企業側としてはコスト削減のメリットがエミュレータにはあるのです。
エミュレータの購入費用は発生しますが、現在ではWEB画面上で稼動できるエミュレータも登場しています(最後に書いています)ので、さらに維持費を抑えられるようになっています。

TSS端末エミュレータを使うメリットがもう一つあります。
それは、一つのパソコンで、2画面以上のTSS画面(セッション)を扱える事が可能だという事です。

ダム端末を設置していた時代、殆どの場合、端末1台につき使える画面は1つでした

TSS端末エミュレータで、通信の識別はパソコンが持つIPアドレスと、同じIPアドレスでも複数のセッションが動作できるようにユニークに決められた識別子の組み合わせ(IPアドレス+識別子)で扱われます。

VOS3(XNF/TCP)では、この識別子を「AP識別子」と呼んでいます。
FTPやTELNETに付与するポート番号と思って頂けると理解しやすいと思います。

IPアドレス127.0.0.1のパソコンでAP識別子がAP001、AP0O2の2つが利用可能であるとホストコンピュータに登録されている場合、127.0.0.1のIPを持つパソコンでは、AP001のTSS画面とAP002のTSS画面の合計2つのTSS画面を同時にオープンして、それぞれLOGONして違う業務・仕事を並行して作業する事が可能になりました

TSS端末エミュレータが使う事ができるパソコンのIPアドレスと、そこで使う事が可能なAP識別子は通信制御プログラムにパラメタとして認識させる必要があるため、この値を知らないとエミュレータがあっても、TSS端末としてメインフレームにアクセスをする事ができません。(TSSのユーザIDも知っておく必要はあるのですが、、)

多くのシステムではAP識別子はシステム上でユニークにしているものの、それとIPアドレスを紐付けしていないがために、一つのパソコンで複数のTSS画面を使わせることをさせていないようですが、、

今ではもう少し進化して、WEBのブラウザ画面上でTSS画面を使えるエミュレータも出てきました。パソコン側の起動方法は違いますが、ダム端末をエミュレートしていることに変わりはありません。
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