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データセンターの移設

データセンターの移設については、次の3とおりが考えられるか、と思います。

A. 物理的に引っ越す
B. ディザスターリカバリーの拠点とする
C. 役割をかえる

順々に議論を加えてみたいと思います。

A. 物理的な引越し

いつサイトを閉じて、いつ再開するか、が鍵となります。メインフレームの場合、結線をはずして梱包し、移設して、開梱し、再結線するのは、ほとんど専門業者の担当になるかと思います。
が、ストレージ・システムだけはベンダーと意見があわないことがあります。3380,3390といった古いタイプのディスクの場合、ヘッドを固定すればよいでしょう。
それ以降のモデルは内部的には、3.5inch HDDが使われていることがほとんどかと思います。ところが電源がオフになった状態でヘッドがきちんとシッピング・ゾーンに格納されるのが現在のディスクですが、古いモデルは必ずしもそうではありません。
そのため、ベンダーとしてはRAIDシステムから全部のHDD(通称:玉)を取り外し、梱包し、開梱して全部乗せる、というプロセスを主張します。これは、内部データはどうなるかわからないため、バックアップを全部取り、リストアすることになります。手間も莫大にかかります。

もちろん移設するのですから、バックアップは必須です。しかし、完全解体はどうしてもしなければならないのか、よくよくベンダーさんと相談したほうがいいでしょう。やる、やらないで工数(費用)は大幅に変わります。

なお、最近のストレージシステムは非常に重たいです。データセンターの電力のみならず、床荷重は必ず確認してください。機種によっては1tを要求するものもあります。

B. ディザスターリカバリーサイトとする

これは、費用はかかりますが、技術的にはむつかしいことではありません。ストレージシステムそのものは、メインフレームにしろオープン系にしろ同じ技術でできています。ここ数年でスナップショット、データ転送についての技術は確立していますから、難易度が高いとも思えません。新しいセンターにシステムを新たに設置し、回線を引きレプリケーションを行います。
ただ、注意しなければならないのは、100キロを超えると同期型のレプリケーションは実用的な速度ではなくなってきます。(デバイスのレスポンスタイムが倍以上になる) これは回線速度ではなく、回線のレイテンシー(遅延)からの制限です。どんなメディアでも光速を超えることはできません。詳細な説明は省きますが、DRを行う場合、距離、データ量がフィージビリティを大きく左右します。
DRで本当に困難なのは、システム継続手順とオペレーションをする人の移動と訓練です。手順はシンプルであるほどいいのです。ある外資系の銀行はA4二枚でした。そして、運用システムが陳腐化しないように、訓練はかかせません。

C. 役割を変える

よくあるのが、センターを分割する場合です。そのため、移設期間中は、データの一部を移転するために回線を使うか、テープを使うか、といった議論が起きます。
すなわち、回線を利用し、ftp,データベースのレプリケーション、DR同様ディスクのレプリケーションを使い、新しい拠点のデータを更新するか、テープにバックアップを取りリストアをするか、です。
これはコストとデータの鮮度のトレードオフになります。データの鮮度が高いほどコストはかかります。なぜならば、常時、十分なデータ帯域を確保するためには、太い帯域の回線が必要となります。一応、回線の値段特性は帯域が大きいほど、ビット当たりコストは安いようにできています。(センター間で回線を使うのであれば、できるだけまとめるべきです。)
しかし、絶対金額としてはバカになりません。あまり鮮度を必要としないのであれば、テープを送ったほうが安いということはよくあります。

以上、簡単に概観してもおわかりいただけるかと思いますが、データの移動と鮮度と人の動きが引越しの鍵といえるでしょう。